東京高等裁判所 昭和49年(ラ)222号 決定
原決定は、本件清算会社である株式会社埼機設計が債務超過の状態にあるところ、その大口債権者中には譲歩の意思のないものがあり、現に建鉄商事株式会社および有限会社雄和企行の両名からは破産の申立がなされており、商法第四五〇条所定の協定を可決するに足る同意を得ることができるとは認められないことなどを理由に特別清算の見込がないとして、本件特別清算開始の申立を棄却したが、特別清算に対する清算人の手腕、力量、能力等を審理しないでなされた決定であって、抗告人はこれに承服できない。また、破産原因がある場合でも、破産申立と特別清算開始の申立が競合するときには、特別清算手続を優先させるべきである(商法第四三三条、第三八三条第一項参照)。
当裁判所が審案するに、被審人山田幸夫審問の結果によれば、本件清算会社に対し昭和四九年三月二六日午前一〇時破産宣告がなされ、現に破産手続が進行中であることが認められるから、その余の点について認定判断するまでもなく、本件特別清算開始の申立は理由がないものといわなければならない。
(安倍 中島 桜井)